秋夜の丸亀ブルーナイター舞台に集う頂点— 【開設73周年記念】GⅠ 京極賞をひもとく
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はじめに:水面が呼ぶ、特別な一節
香川県丸亀市、夜風が少しひんやりと感じられ始める頃。そんな時期に、ひときわ熱く灯るナイター照明の下で、舟とエンジンが響きを奏でる──この情景こそ、京極賞が持つ魅力です。
今年(2025年)も、名水面として知られる ボートレースまるがめ にて、開設73周年を記念したGⅠ開催が11月7日~12日に決定しています。
今回は、この大会の“匂い”や“風景”、注目すべき構図をじっくりと紹介していきます。
第1章:京極賞とは何か?その背景と意義
まず改めて、京極賞の存在意義を整理しましょう。
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京極賞は、ボートレースまるがめの開設を記念して年度に一度開催されるGⅠグレードの競走です。出場資格は「原則A1級選手の主催者推薦レーサー」とされており、トップレーサーの集まる格式あるレースです。
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丸亀という水面、そしてナイター(夜間開催)という環境により、昼間のレースとはまた違った“刻”が流れます。シリーズ展望には「秋深まる丸亀に全国からトップレーサーが集結。ナイター水面で熱戦を繰り広げる。」との記録があります。
このように、京極賞はただの通過点ではなく「丸亀で年に一度」「トップA1級が揃う」「夜の水面での勝負」という三つの条件が揃った、特別な舞台なのです。読者のあなたが舟券を手にする時、「いつもの一般戦」では体験できない空気感がここにはあります。
第2章:舞台「丸亀ブルーナイター」の情景
レースの舞台として知っておきたいのが「丸亀」という水面のキャラクターです。夜のブルーナイター照明に映える水面の波紋、風の入り方、コースのクセ――これらが勝敗に効いてきます。
水面の特性
たとえば、丸亀では進入コース別に次のようなデータがあります(2025年予備データより)。
1号艇進入の1着率・2着率・3着率という進入コース別成績が出ており、1号艇からスタートする選手にもチャンスがある反面、2号艇・3号艇・6号艇もそれなりに入着しており、単純に「1号艇=圧倒」という構図だけでは語れない水面です。
また、ナイター開催ということで「視界」「水質」「風」の条件が昼間と異なり、レーサー側もモーター/プロペラ調整に対するアプローチが変わる可能性があります。そうした微妙な変化を味方につけられる選手が“本気”を出してくるわけです。
ナイターならではの魅力
夜の開催ゆえの“光と影”、それを背景に競走艇が疾走する姿は、観戦・体感ともに非日常的。ファンの立ち位置、風の通り道、場内の空気…すべてが昼間とは違います。大会案内でも「秋深まる丸亀ブルーナイターに全国からトップレーサーが集結」などと強調されている点に、その特別さがうかがえます。
この情景をイメージしながらレース観戦・舟券検討をすると、「当日の流れ」「選手の立ち位置」「水面の揺らぎ」が鋭く意識でき、結果として読みが深まることも多いでしょう。
第3章:注目レーサーたちと“話題の構図”
では、今大会で特に注目したいレーサー/構図をいくつか取り上げてみます。競艇好きならば“誰が来たか”よりも“どんなドラマを描くか”に目を向けたいところです。
① 連覇を狙う存在
去年優勝した 吉田 裕平(愛知)は、今年も同舞台に臨む予定です。シリーズ展望では「今年の大会2連覇を狙う」との言葉も挙がっており、丸亀でここ最近4節で4優出2Vという好成績を残しているとのこと。
連覇というのは、場のクセを理解してモーター・プロペラ・整備・展開読みすべてがうまく噛み合うときに達成できます。吉田選手がその条件を今年も満たしているかどうか、注目です。
② 丸亀巧者たちの“得意舞台”
例えば、 峰 竜太(佐賀)は丸亀での相性が非常に良く、過去に優勝も経験済み。シリーズ展望でも「ここでもV争いは必至」と評されています。
また、地元香川支部の選手たちも「地の利」を背景に戦いに加わる形です。例えば、 片岡 雅裕(香川)は優出8回ながら優勝なしという“悲願”を抱えており、地元開催のこの舞台でその想いをぶつけてくる可能性があります。
③ 新たな波を起こす若手/台風の目
そして今年注目したいのが、いわゆる“新興勢力”や“勢いのある選手”です。シリーズ展望にも、近年優出回数を重ねている選手たちの名前が挙がっています。
例えば、地元香川支部から参戦する若手たちが“ホーム水面”のアドバンテージを活かして波乱を起こす可能性も十分。レース前にはぜひ出場予定選手一覧をチェックして、 “勢い”と“丸亀適性”を兼ね備えた選手を探しておくことをおすすめします。
第4章:舟券を考える—水面読みと展開のヒント
ここからは、実戦的な“読み”という観点で、京極賞・丸亀水面で押さえておきたいポイントをまとめます。
コース別傾向
丸亀では1コースが1着を取るチャンスはあるものの、他コース(2・3・4・5・6)からの入着もそれなりにあります。進入率・平均スタートタイミング・入着率を見ると、「必ず1号艇で決まるわけではない」ことがわかります。
つまり、1号艇=“安全圏”と決めつけず、2・3コースや6コースの「捲り差し」「攻めの展開」にも注目するべきです。
展開読みとキー要素
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スタート展示/動き:トップA1級が集まるGⅠだけに、展示気配やモーター実績・整備状況が結果に直結しやすい。
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モーター・プロペラ:丸亀での好足パターン:ナイター・水面変化などを見越した整備が効く。公式ガイドにはモーター一覧も載っています。
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風・潮・ナイター条件:夜ということで、昼とは異なる風向・風速・水温・ナイター照明の影響などが存在します。特に、丸亀のような水面で“どのタイミングで風が動くか”という読みが当たれば大きな武器となります。
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展開の鍵となるコース取り:2・3コースの差し・捲り、逃げを狙う1号艇、外からのまくりを狙う6号艇…それぞれの駆け引きが“丸亀の夜”ではさらに鮮明になります。
おすすめの舟券スタンス
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まずは「1号艇中心で組み立て」、その上で「2号艇・3号艇の情勢を注視」+「6号艇の一撃捲り候補」を組み込む。
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無理に高配当を狙うよりも、「展開読み+夜の水面変数」を活かした中配当狙いがベター。
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ただし、「地元勢の意気込み」「丸亀で強い選手・コンディション良好な選手」に動きがあるなら、思い切った穴狙いも検討可。
第5章:私的な視点で掬う“見どころ”と“物語”
少し視点をズラして、レースを「物語」として見た時の見どころも少しご紹介します。
見どころ①:地元香川支部 vs 遠征トップ
地元香川支部の選手が、自らの“ホームフィールド”で奮闘する姿。片岡雅裕のように「丸亀で優勝がない悲願」を抱えた選手。そしてその相手となるのが、「全国から集まるA1級の遠征組」。この図式が、京極賞には毎年付き纏っています。読者としては、地元勢の“熱意”と遠征勢の“冷静さ”との対比に注目すると面白いでしょう。
見どころ②:ナイターならではの“ドラマ”
昼間のレースでは感じづらい“影の時間帯”。ナイターの照明に浮かび上がる艇体、水面のきらめき、風が一瞬で変わる瞬間…。そんな“刻”を制した選手が勝つ。記憶に残るレースは、単に速さだけでなく“タイミング”と“場の流れ”を味方につけた選手によって生まれます。
見どころ③:過去の歴史という厚み
京極賞の歴代優勝者を見れば、名だたるレーサーたちの名が並び、丸亀という舞台の重みを感じます。
この“伝統”を背負う選手たちの走りは、ただの勝利ではなく「丸亀での証」を求めるもの。読者としても、誰が“伝統”をつなぐのか、誰が“革新”を起こすのか、という視点で観戦・検討すると深みが出ます。
終わりに:夜空に浮かぶ決戦の軌跡
11月7日から12日まで、丸亀の夜は、ボートのエンジン音と歓声と波音とが混ざり合う特別な時間になります。
読者の皆さまには、ぜひこの京極賞を「ただ結果を当てるレース」ではなく、「その水面、その時間、その空気、その歴史」という背景まで含めて“読む”体験として楽しんでいただきたいと思います。
勝敗はもちろん、「どんなドラマが生まれるか」が大きな魅力です。選手たちの“思い”と水面が織りなす“流れ”を感じながら、ぜひあなたなりの視点でこの大会に入り込んでみてください。
そして、舟券を買うなら、「数字=結果」だけでなく「物語=そのレースが語ること」を少し意識してみる。そうすれば、京極賞という舞台がもっと楽しく、もっと意味あるものになるはずです。
――それでは、秋の丸亀ブルーナイターでお会いしましょう。夜風を切るボートの音、そしてあなたの予想が奏でる軌跡に乾杯。
良い舟券ライフを。





