女子レーサーの年間賞金女王を決める一戦であり、文字どおり“女子戦の最高峰”といえる舞台だ。
2025年は 12月26日からボートレース大村 を舞台に開催。
さらに並行して、惜しくもPG1進出に届かなかった選手たちが争う G3クイーンズクライマックスシリーズ も同時開幕する。
大村といえば「イン最強水面」。それゆえに“実力が明確に出る”ともいわれ、選手のスタート力・調整力・ターンの正確性が色濃く反映される舞台だ。
そんな水面で、女子トップ12名が一年の集大成をぶつけ合うのだから、熱気は最高潮に達する。
本稿では、読者の予想の助けとなるよう、PG1の主役12名の特徴や展望、大村水面での鍵、さらにシリーズ戦の狙い目までコラム風に深く掘り下げてお届けする。
PG1クイーンズクライマックス 出場12名の横顔
今年は下記のメンバーが、年間成績を経て大村のPG1に駒を進めた。
4502 遠藤エミ(滋賀)
4482 守屋美穂(岡山)
4450 平高奈菜(香川)
4590 渡邉優美(福岡)
4456 鎌倉涼(大阪)
4433 川野芽唯(福岡)
4961 西橋奈未(福井)
4546 浜田亜理沙(埼玉/広島)
5088 高憧四季(大阪)
4387 平山智加(香川)
4530 小野生奈(福岡)
4963 實森美祐(広島)
遠藤エミを筆頭に、ここ数年の女子戦の中心人物が揃い踏み。
さらに高憧四季・實森美祐といった新鋭勢も食い込み、世代間のぶつかり合いも注目ポイントだ。
大村水面の“鍵”はスタートと1M勝負
大村は「全国屈指のイン水面」と言われるが、ただ単にインが強いわけではない。
大村の本質は以下の3点だ。
●(1) 干満差の影響が少ないため、走りの再現性が高い
調整がハマりやすく、うまい選手はそのまま勝ち上がる。
●(2) スタートが決まるかどうかが明暗を分ける
照明・風・水面特性の影響で、女子戦ではスタート力の差が如実に表れる。
●(3) コース別の戦略が明確
1コース:圧倒的な勝率
2コース:差しの精度
3コース:まくり差し勝負
4コース以降:スタート勝負が必須
つまり、
「スタート+ハンドリング精度+安定した調整力」
この3つが揃った選手が上位を握る。
優勝戦線の中心。三大本命候補の考察
◆1位:遠藤エミ ―「女子最強」の座を守るか
賞金ランキング1位での堂々の出場。
ターンの精度、スタート、レース運び、すべてが高次元。
特に大舞台に強く、PG1での勝ち方を理解している点が最大の武器だ。
今年はインからの安定感が特に光っており、大村での相性も悪くない。
機力が中堅以上なら、まず優勝戦に姿を見ない日はないと言ってよい。
総合評価:優勝候補筆頭
◆2位:守屋美穂 ―攻めのスタートで崩さない強さ
守屋の強みは、
「女子戦でもトップクラスのスタート精度」
これに尽きる。
大村でスタートが決まれば、外からでも勝負を作れる選手。
前半から機力を引き出すタイプなので、序盤の舟足が仕上がっていればシリーズを一気に主導する可能性を秘める。
総合評価:優勝戦の常連。エンジン次第でV圏
◆3位:平高奈菜 ―ターンスピードで魅せる今年の充実度
今年は関係者からも「平高のターンが戻ってきた」という声が多い。
まくり・まくり差しのキレは女子トップクラスで、3コース・4コースは特に破壊力抜群。
大村は伸び型より出足・回り足が重要なため、平高が序盤から回り足を作れば面白い。
総合評価:スタート決まればV争いの中心
優勝戦線を揺さぶる“影のダークホース”
◆渡邉優美
地元・福岡支部の勢いあるレーサーで、女子戦では随一のスピード派。
スリットからの伸びを武器にしたまくりが決まれば、波乱の主役となる。
◆鎌倉涼
ターンが非常に丁寧で、大村の「再現性重視の水面」との相性が良いタイプ。
始動が早ければシリーズリーダーも十分ある。
◆川野芽唯
イン戦の信頼度が高く、事故率が低い安定型。
凡機をしっかり中堅に仕上げる調整力が魅力。
ロングシリーズで強いタイプなので、5日制のPG1でどう立ち回るかに注目。
◆高憧四季
近年急成長中の新鋭。スタート力は女子トップグループに割って入る勢い。
思い切ったレースが特徴で、まくりに出た時の破壊力は超級。
初出場の勢いは侮れない。
◆平山智加
経験値・完成度・展開読みは女子トップ級。
大村は少しスロー寄りの調整が合うため、機力次第では一気に上位進出するタイプ。
◆小野生奈・實森美祐・浜田亜理沙
いずれも機力を引き出す調整に長け、道中の強さを持つ選手。
特に實森は地元・広島区域のファンからの声援も厚く、
「地元付近開催で気持ちが入るタイプ」という傾向からも一発の期待が高い。
大村のPG1で勝負を分ける3つの視点
●視点①:機力相場(特に回り足)
初日ドリーム戦の周回展示で“回り足の良い選手”を探すことが第一だ。
大村はターン効率が勝敗を左右するため、行き足・伸びよりも回り足が重要。
●視点②:スタートの再現性
大村は静水面でスタート感が掴みやすい。
守屋・西橋・高憧など、スタート巧者は軒並み上位候補に浮上する。
●視点③:女子戦特有の隊形
女子戦では2コース差しが決まりやすい傾向がある。
特に
平山の差し
川野の差し
は大村向きで、1Mの内差し展開は見逃せない。
G3クイーンズクライマックスシリーズの見どころ
PG1の裏で行われるG3シリーズ戦も、実は舟券的には“美味しいレース”になりやすい。
理由は以下の通り。
実力差がやや明確
機力勝負になりやすい
新鋭の台頭やモーター相性が結果を左右しやすい
シリーズ戦では
「モーター重視>実力差」
の傾向が強く、初日の展示から素直に好機を買った方が勝ちやすい。
また、シリーズ戦は“差しが決まりやすい”。
大村の特性と女子戦の傾向が合致し、イン過信は禁物だ。
総括:2025年の女王は誰の手に?
PG1クイーンズクライマックスは、
「遠藤エミ vs 守屋美穂 vs 平高奈菜」を軸に、福岡勢・新鋭勢がどこまで食い込むか
という構図になりそうだ。
大村は実力が正直に出る水面。
スタート力・調整力・ターン技術の総合力が問われるため、
「調子の良い選手がそのまま勝ちきる」ケースが多い。
しかし女子戦ならではの展開一つで順位が大きく変わるのも事実。
初日の走り、モーター気配、スタートの安定感をしっかり見極めながら、
自分だけの“推し選手”とともに年末の女王決定戦を楽しんでいただきたい。



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